実行を見すえて戦略を立てることが大切『ブルー・オーシャン戦略』【感想・書評】
このところ、戦略について考えたり、本を読んだりしています。
良い戦略とは?『良い戦略、悪い戦略』から - ビジョンミッション成長ブログ
戦略というと、やはりこの本は外せないかなと思います。

ブルー・オーシャン戦略――競争のない世界を創造する (Harvard business school press)
- 作者: W・チャン・キム,レネ・モボルニュ,有賀裕子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2013/05/17
- メディア: 単行本
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本書は、一時期売れた本だと思いますし、タイトル、ネーミングが良いので、印象に残りやすい本ですね。
競合がたくさんいる「レッドオーシャン」ではなく、競合がいない「ブルー・オーシャン」を目指せということもわかりやすい話です。そして、タイトルから想像がつきやすいので、読んだことがないという方も多いのかもしれません。
本書は、3部構成になっています。
1部:ブルー・オーシャン戦略とは?
2部:ブルー・オーシャン戦略を策定する
3部:ブルー・オーシャン戦略を実行する
この3部の、実行のところがとくに大切なところだと思っています。もちろん、前の2つがあってこその実行ではありますが、戦略を立てても、実行できなければうまくいかないでしょうから。
公正なプロセスがないと戦略の実行はおぼつかない
戦略を実行する際に大切なことはどういうことでしょうか?能力や状況、などあると思います。本書では、「公正なプロセス」が大切ということです。
「手続き的正義をマネジメントの文脈に置き換えたのが、公正なプロセスである。法律精度について述べたのと同じように、公正なプロセスを用いると、最初から従業員を巻き込んで、実行を見すえた戦略を立てられる。従業員たちは平等に扱われると感じて、みずから進んで戦略の実行に力を尽くそうとする。」(p.228)
決定のプロセスがフェアじゃない、参加者が決められないということがあるなどすると、実行する段階で反対したくなる。そうなると、戦略が仮に適切なものであっても、反対者がいるので、うまく実行できないということになります。
逆に、公正なプロセスがあると、信頼ができるので、戦略の実行がしやすくなる。ということで、公正なプロセスが大切ということです。
勝手に決められたものだと動かない
たしかに、勝手に決められたものだと、なかなか納得できなかったりしますよね。民主主義というか、選挙制度は一応、自分が選んだ人が法律や政策を決めたから従うというところがあります。
社長が勝手に決めて従えと言っても、なかなか動こうとは思わないかもしれません。
企業ではなく、個人レベルの話でも、納得できるプロセスで決めないと、なかなか動けないということもあるでしょう。直感で動ける人は良いのですが、そうでない人は、やはり適切なプロセスを経て決めたものと、当てずっぽうで決めたものでは、現実を踏まえて、選択や思考をした上で、現実的に実行できる戦略を選んで実行しようとするのではないでしょうか。
戦略は、あくまで机上のものだから
他にも本書では、戦略の実行について示唆のある指摘があります。
戦略論は、あくまで机上のものです。どうやって実行するのか。この点が大切ですよね。
どうすると実行ができるのか。また仮に戦略が現実に合っていないときにどうすると良いのか。こういうところを知っておく、考えておきたいものです。
そんなことを考える際に参考になる一冊です。

ブルー・オーシャン戦略――競争のない世界を創造する (Harvard business school press)
- 作者: W・チャン・キム,レネ・モボルニュ,有賀裕子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2013/05/17
- メディア: 単行本
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