『逆転! 強敵や逆境に勝てる秘密』マルコム・グラッドウェル - ビジネス書をビジネスのチカラに
こちらでも紹介しましたが、おもしろく読めたので、このブログでも紹介します。
『天才!』などの著者、マルコム・グラッドウェル氏の著書です。
- 作者: マルコム・グラッドウェル,勝間和代
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/05/13
- メディア: ハードカバー
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『天才!』では、天才はどうやって作られるのかなど、10000時間の法則などで説明されていました。
この『逆転!』では、強敵や逆境にどうやって打ち勝って、逆転するかということをテーマに書かれています。
原題は、"David and Goliath"ということで、ダビデとゴリアテということで、本書も、ダビデとゴリアテの話から始まっています。巨漢の兵士ゴリアテを羊飼いのダビデが破る話です。ジャイアントキリングという、巨人倒しという言葉がありますが、まさにそういう話です。
逆境や強敵にどう立ち向かうか?
うまくいっているときに注意したほうが良いことは、油断しないで今やっていることを行いつつ次の準備をするといったことでしょう。うまくいっていると、油断しない有頂天にならないというのがむずかしいところではありますが、要はそういうことだったりして、単純な話です。
一方で、うまくいっていないときや失敗したとき、逆境や強敵にどう立ち向かうかということは、なかなか一筋縄ではいかない簡単はことではないでしょう。簡単な話であれば、世の中は、もっと成功している人だらけになっているでしょうから。
ビジネス書やヒーロー物の話は、うまくいく方法について書かれているものが多いです。
逆境にどう立ち向かうか、こういう話は意外と出てこないというか、詳しいところまで踏み込んでいるものがあまりないような気がします。たいてい、気持ちを入れ替えてがんばった的な精神論か、運が良かったのような話になっていることが多いようです。
この本も同じようなところもあります。しかし、もう少し逆転した理由、強敵にどうやって立ち向かったのかという話が書かれています。
そういう意味で、おもしろく読むことができる本です。
エリートは「有利」なのか?
「名声があって、富があって、エリートに属していれば、どんなにいいだろう−−私たちはそんな想像をたくさんしてきた。しかしそうした好条件が選択肢を減らしていることには、なかなか考えが及ばない。」(p.41)
バスケットボールで勝つために、どうするか?背が高くて、運動神経がいい。そういう人を集めれば勝てる。当たり前の考え方でいけば、順当に勝っていくチームができるでしょう。しかし、背が高いわけでもなく、寄せ集めで、とくに選抜されたわけではないチームが勝つには?
そんな話のなかで、この言葉は出てきています。
強い人たち、選ばれた者、エリートは、正攻法で攻めていって勝とうとするでしょうし、実際に強ければ、勝つことができるでしょう。しかし、それは強者の論理です。
そうでないものが勝つにはどうしたら良いのか。
答えは本書を読んでもらうとして、少し別の話を書きます。
今のサッカー日本代表はどうすると良いか?
2014年のブラジルワールドカップでは、予選敗退だった、サッカー日本代表。
アギーレ監督になってもまだ日が浅いですから、なかなか勝てていません。これからアジアカップに向けて、強化試合をしていくということです。
日本は、ダビデとゴリアテで言えば、ダビデでしょう。強い相手に挑む者です。
強い相手と同じ方法では勝てません。何か別の方法が必要でしょう。それが何かがわかってできるようにならない限りは、変わらないでしょう。
ブラジルワールドカップで、オランダがスペイン相手に中盤を使わず省いて、勝ったような「戦略」が必要でしょう。
まず守備をどうにかしたいというのはありますが。あまりに失点が多すぎですから。
弱者が強者に逆転する
本書を読むと、弱いと思われている者が、強いと思われている者に勝つには、頭をつかうことが必要ということがわかります。
強い者と同じ方法では勝てないでしょう。
逆転するには、逆転できる方法を考えること。
それは、ルールでは明示されていないことを行なうことかもしれません。まだ誰も知らない情報を活用することかもしれません。相手の弱いところを突くことかもしれません。
何をどうするかは、状況によるでしょうけれど、頭を使うということは共通なのではないでしょうか。
そういうことを考えたい方が読まれると、興味深く読むことができる一冊です。
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