ユニクロの1号店は、1984年に開店したそうです。2014年の今年で30年ということになります。
ちょっとある本を再読して、ユニクロを生み出した柳井正氏の『一勝九敗』を読みたくなったので、再読しました。個人的に気になったところを紹介しつつ、感想や考えたことなどをメモ程度に書いたおきたいと思います。
良く売れる店とは
「ユニクロ一号店に込めた思いは、お客様が「自分で選べる環境を作る」ということ。」
「これが「買う人の立場で店を作る」ということ、それが「買いたくなる店」=「良く売れる店」につながると考えた。」(p.34)
服を自分で選べる、買いやすい、そういうお店にする。これを考えて、店舗を作ったということです。
買う人の立場で店舗をつくる。買いたくなる店をつくる。こう考えたそうです。
顧客の視点から考える。売り手になるとこれがなかなかできません。だから、売れにくい。
売ろうと考えるのではなく、買いたくなるような店にしようと考えたところが姿勢が違うということがわかります。
経営者と商売人の違い
「経営者と商売人はどう違うのか。商売人は、売ったり買ったりすることが自体が好きな人。ほとんどの中小企業の社長は、その意味で経営者ではないと思う。経営者とは、しっかりした目標を持ち、計画を立て、その企業を成長させ、収益を上げる人のことだ。」(p.50)
柳井氏も成長の過程で、こういったことを学んでいったということです。
目標、計画、成長、収益。
大切だと言われます。しかし、これをやろうとしているか、できているかというとどうでしょうか。
言われてみれば当たり前のことですが、どうしたらできるのか。簡単なことではないですね。
失敗からの立ち直り
「九八年の原宿店オープンに漕ぎつける前は、失敗の連続だった。いずれにせよ、新しい事業は、そもそも失敗することが多いのである。やってみないと分からないことが多いからだ。事業計画をきちっと作っても、ほとんどそのとおりに進まないことのほうが多い。しかし、この失敗を生かすも殺すも経営姿勢次第である。」(p.73)
「失敗には次につながる成功の芽が潜んでいるものだ。したがって、実行しながら修正していけばよい。危機につながるような致命的な失敗は絶対にしてはならないが、実行して失敗するのは、実行もせず、分析ばかりしてグズグズしているよりよほどよい。失敗の経験は身につく学習効果として財産になる。(中略)失敗に学ぶことと、リカバリーのスピード。これが何より大切である。」 (p.74)
今でこそ、海外にも展開して、業績も好調を維持しているように見えるユニクロも、失敗の連続だったということです。それらの失敗も、そこから学んで財産にする。
そして、リカバリーを速くすること。
失敗との向き合い方は、これが大切ということです。
「一勝九敗」の意味
一勝九敗ということだと、勝率1割です。これで良いかどうかはわかりません。
しかし、本書のタイトルが言わんとしていることは、上のことだと思います。
野球で言えば、打席に立って、バットを振る。そこから学んで少しでも勝率を高める。そういうことでしょう。
ビジネスであれば、会社が存続できないほどの致命的な失敗はまずいけれども、そうでなければ、どんどん実行して挑戦していく。そして、失敗したら、撤退して立て直す。
こういう挑戦していく姿勢が大切だということだと思います。
本書では、2003年までの様子が書かれています。それ以降については、こちらなどに書かれています。
ユニクロが今までどうだったのか。これからどうなるのか。そういうことはありますが、成長したいのであれば、挑戦していくことはユニクロに限ったことではなく大切だと思います。
成長に挑戦したい。
そういう方が読まれると、何かしらヒントが得られる一冊です。