今日は、有名な本、『人を動かす』デール・カーネギーを紹介します。
この本ですが、原題は、「How to win friend and influence people」で、そのままでは、「人を動かす」という意味だけではなく、「友人を得て人々に影響力を与える方法」といったところです。
人を動かすだけではなく、人に好かれる、人を説得する、人を変える、幸福な家庭をつくる、といったことが書かれています。そういう意味で言うと、本書『人を動かす』は、人間関係の本とも言えるところはあるでしょう。
人間関係の古典として、あらゆる自己啓発本の原点となったD・カーネギーの名著。常に机上において読み返す本として、重厚で華麗な装丁にあらため、四六判・上製(ハードカバー)とし、本文も読みやすく組み直した.
本書は、社会人として持つべき心構えを興味深い実例をもって説得力豊かに説き明かして類書の追随を許さない。深い人間洞察とヒュウマニズムを根底に据えた感動の書。聖書につぐ世界的ロングセラー。
ちょうど再読したので、ここから「人を動かす三原則」だけを紹介します。
(この『人を動かす』には、他にも人に影響を与える方法について書かれています。そちらも参考になるので、また読んだことがない方は、本書を読んでみると良いですね。 )
人を動かす三原則
1 盗人にも五分の理を認める
2 重要感を持たせる
3 人の立場に身を置く
これらが、人を動かす三原則ということです。一見しただけではちょっとわからないかもしれません。そのあたりについて書いてみます。
人を動かす三原則1 盗人にも五分の理を認める
泥棒にも、五分の理を認めるというのは、誰に対しても「正しさ」を認めるということです。盗人にも、盗みを働く理由がある。批判ばかりしても仕方がない。そういうことを、この言葉で表現しています。
そこから、「批判も非難もしない。苦情もいわない。」これが、「人を動かす原則1」ということです。
というのは、批判や非難、苦情を言われても、人はイヤイヤ動くだけで、自分から動こうとはしない。むしろ、敵対視してしまうこともある。そうなっては、人を動かすどころではないということです。
だから、「批判も非難もしない。苦情もいわない。」ということです。敵対視されてしまったら、人を動かすのはむずかしいですよね。そうならないように、相手の「正しさ」をある程度は認めるということです。
意外とむずかしいことかもしれません。人を批判している人はよく見かけますから。批判する理由はいろいろとあるでしょうけれど、完璧な存在はないから批判するのは簡単なのでしょうね。簡単なことで、人を動かすことができればいいですが、できないから、悩むわけです。批判で人は動かない。そういうものでしょうね。
人を動かす三原則2 重要感を持たせる
「人を動かす秘訣は、まちがいなく、ひとつしかないのである。すなわち、みずから動きたくなる気持ちを起こさせること−−これが秘訣だ。」(p.33)
自分から動きたくなる気持ちにさせる、これが、人を動かす秘訣だそうです。
無理やり動かそうとしない。相手が動きたくなるようにする。これが、大切というわけです。
そうですよね。無理やり動いても、途中でやめたくなったり、違うことを始めたりしてしまいますから。そうならないように、自分から動きたくなるような気持ちにさせることが大切なわけです。
だとしたら、どうしたら、そういう気持ちにさせることができるのでしょうか?
それには、相手の重要性を認めること。相手が価値ある人間だと認めることが大切ということです。
なぜなら、そういう扱いをされれば、その扱いをした人の言葉を聞くようになるだろうからということですね。
逆を考えるとこれはわかりますね。批判や非難、バカにされたら、その人の言葉を聞くでしょうか?反発するものではないでしょうか。相手の価値をきちんと認める。相手が重要だと伝える。これが、人を動かすための秘訣ということになります。
ここまで同じようなことを言っていますね。人を動かすには、批判や非難はしないで、相手の正しさをある程度認めて、重要感を持たせる。相手を立てるということでしょう。
人を動かす三原則3 人の立場に身を置く
人が興味があるもの、それは何でしょうか。自分に興味がある。そういう人が多いのではないでしょうか。もしくは、自分の欲しいものには興味がある。そういう人も多いでしょう。
だとしたら、相手が欲しい物を考えて、相手が動くようにすると良いですね。
人に仕事をして欲しいとして、相手がお金が欲しいならお金を、名誉や地位、賞賛などが欲しいのであれば褒めたりふさわしい役職についてもらったりすれば、やる気になって動くでしょう。
相手が、どうしたら動く気になるか。相手の立場に身を置いて考えてみる。
それが、人を動かす原則の3つ目ということです。
ここも、相手のことを考えるということです。相手を立てる。人の立場に身を置いて考えてみることで、人を動かしやすくなる。こういう面はありますね。
相手を重要だと思う
この人を動かす3つの原則は、おもしろいというか興味深いというか、相手視線だというのが、共通しているところです。
自分が無理やり相手を動かそうとはしていない。無理やり思い通りに動かそうというのではなく、相手の気持ちを考えて、理解して、相手を重要だと思う。そこから、相手にとって良かれと思うことをやる。
「人を動かす」というと、「人を操る」のようなことと思うかもしれません。しかしここでは、そういうこととは違うことを言われています。
やはり違うのではないでしょうか。操ろうとしている人には、抵抗して、動かなくなりそうです。そう考えると、相手のことを重要だと考えるのは、ポイントになりますよね。
相手を尊重することが、人を動かす秘訣
相手を尊重するそういう人の話には、自然と人は動きたくなる。だから、こういう気持ちが起こるように、お互いに関係を作っていく。友人関係をつくっていく。
これが、人を動かす秘訣なのだと思います。
人を動かしたい。そう思うこともあるでしょう。しかし、無理やり操作しようとすれば、逆効果です。操作されていると思ったら、反発したくなるのが、人間の心というものでしょう。人を動かそうと人を操作しようとしたら、人は動いてくれなくなるものでしょう。
だから、相手が動きたくなるようにする。ここが、人を動かすポイントになりそうですね。
『人を動かす』
人を動かすというと、操作する、コントロールするというようなイメージもあるかもしれません。しかし、本書『人を動かす』では、そういう話とは違って、自分がどうやって働きかけたり、変わったりして、相手が動きたくなるようになるかという話です。
タイトルから思い浮かべる人を動かすための方法とは、少し違った方法かもしれません。
もし、人に動いてもらえるなら、自分が良いと思うことを実現しやすいですよね。逆に、協力してもらえないとしたら、自分一人でできることしか実現しないことになってしまいます。
人を動かす、人に動いてもらう。そのための考え方や原則を、この『人を動かす』ではデール・カーネギー氏が書かれています。
『人を動かす』と合わせてこちらの『道は開ける』も読むと、理解が深まりますね。
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