0ベースで考える。
一からやり直すと日本語では言ったりします。
ゼロから考える。そういうことですね。
本書、『0ベース思考』の原題は、"Think Like A Freak" なので、フリークのように考える、と言ったタイトルです。フリークとは、変わり者といった意味です。
『ヤバイ経済学』(こちらの原題は、"Freakonomics"。)の著者である、スティーヴン・レヴィット氏とスティーヴン・ダブナー氏が、「どんな難問もシンプルに解決できる」とあるように、問題解決の思考法について書かれています。
知らない:世界でいちばん言いづらい言葉?
「知ったかぶりがこんなに悪影響をおよぼすなら、なぜみんなやめないんだろう?
そんなのわかりきっている。少なくとも個人にとっては、「知りません」と白状したときのほうが、知ったかぶりをしてまちがいが判明したときのダメージより大きいからだ。」(p.45)
知ったかぶりをして間違えるよりも、知りませんと言ったほうが、ダメージが大きい。
「そんなことも知らないのか」と人から言われてしまうかもしれませんから。
だから、知らないと言えない。
そして、知っていると思い込む。
知らないと思わないことのデメリット
知らないと言わないことのメリットはありますが、デメリットもあります。
それは、他の方法を考えないということです。知らなければ、どうしたら良いかを0から考えるということになるでしょう。解決策などを調べることもあるでしょう。
ただ、知っていると思い込んでいると、新たな方法を考えたりはしない。
これが、問題解決の妨げの一つになるわけです。
ゼロベースで、問題を「正しくとらえ直す」
そして、知らないと思わないことで、問題設定を誤ってしまうこともある。
「どんな問題を解決しようとするときでも、たまたま目についた気になる部分だけにとりくんでいないかどうか、気をつけよう。時間と資源を使い果たしてしまう前に、問題を正しくとらえること、いっそ「正しくとらえ直すこと」が何より肝心だ。」(p.74)
だから、知っていると思わないで、0ベースで問題をとらえ直す、考え直す。
これが、問題解決の再スタート地点ということです。
問題を正しくとらえ直したら?
このように問題を正しくとらえ直したら、スタートとしては上々でしょう。
よく言われるような「間違った問いは間違った答えに行きつく」の逆で、「適切な問いは適切な答えに行きつく」可能性が高いでしょうから。
とは言え、ここはスタートですから、そのあとどうしたら良いのでしょうか?
本書では、その思考法などについても書かれています。知りたい方は読んでみてください。
知らないと思えるかどうかは、感情の問題
自分は知らないと思えるかどうか。それが、問題解決の再スタート地点です。
もちろん本当に知っていることは知っていると思って良いわけですが、知らないことは知らないと思えるかどうかが、視野を狭めないで、解決策を考えることにつながっています。
とは言え、前述のように、知らないと思えるようになるかは、プライドの問題だったり、感情の問題だったりします。バカにされても良いと思えるかどうかもあるわけです。
他人に「知らない」というかどうかは、そういった問題でもありますが、自分に対して心の中で知らないことは知らないと言えるかどうか。
これが、0ベース思考の始まりになるでしょう。
知識を過信しない
そうなると、あまり自分の知識を過信しないということが大切でしょう。
本書に、知識が豊富な人ほど、リスクを軽視しがちという話が紹介されています。
知っているから問題ない。そういう意識を持ってしまうというのはあるはずです。
そして、知識を過信して、失敗してしまう。問題解決の真に有効な解決策を見つけられない。
そうならないように、だからこそ、0ベースで考える。一から考え直す。
まずは、これが問題解決の新たなスタートとして重要になるわけです。
『0ベース思考---どんな難問もシンプルに解決できる』
このブログを、Feedlyで購読したい方は、以下よりどうぞ。
『0ベース思考---どんな難問もシンプルに解決できる』スティーヴン・レヴィット,スティーヴン・ダブナー