経済がどう動くか。
ビジネスパーソンなら知っておいたほうが良いことではないでしょうか。
ビジネスとお金。関係していますから、経済のこともわかっていたほうが、ビジネスに役立てることができるところもあるでしょう。
しかし、意外と経済のことは、わかりにくい。経済学部に通っていたという人であれば、経済学の基本は知っているでしょうから、経済について、それなりにわかっているというのはあるでしょうけれども、そうでもなければ、意外とわからないものなのではないでしょうか。
そして、経済学もいまいちわかりにくい。
『経済学の95%はただの常識にすぎない』ハジュン・チャン - ビジネス書をビジネスのチカラに
ケンブリッジ式 経済学ユーザーズガイド: 経済学の95%はただの常識にすぎない
- 作者: ハジュンチャン,Ha‐Joon Chang,酒井泰介
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2015/05/22
- メディア: 単行本
この本では、経済学はほとんどが常識の話で、全体を知っておくと良いということがわかります。
資本主義小史
本書では、資本主義の歴史が簡単にまとめられています。
どのように変遷してきたのか、このあたりがわかります。資本主義の歴史を知ることで、近現代の経済も、だいたいはわかるでしょうし、概要をつかめば、今の経済や経済学を理解するのにも、役立つことでしょう。
諸経済学派の比較
経済学には、「派閥」というか、学派があります。
古典学派やマルクス経済学、オーストリア学派など。
それらがまとめられています。前提や見方で、経済の見方も変わってきます。これらがまとまっているので、わかりやすいです。
グローバリゼーションは、政府やビジネスエリートが望んだから
世界がこの30年間に現在のようになったのは、強国の政府や富裕国のビジネスエリートが望んだからに他ならない。(p.412)
グローバル化が進んでいる。
それは、不可避だったということではなくて、先進国の政府やビジネスエリートが、それを望んだからということです。
たしかに、そういう面はあるのでしょうし、大きいのかもしれません。
自分たちの理想からなのか、ビジネスのメリットがあるからなのかは、それぞれ違っているかもしれませんが、グローバル化を望んだから、そうなっているという面はあるでしょう。
知らないと、現実に流される
望めば必ず叶うというものでもないでしょうけれども、知らないとよくわからないまま流される。
そういうことはあるでしょう。
ウェブでの発言も、人それぞれポジションや前提があって、語っている面があります。
経済学者や政治家、経営者、ビジネスエリートが、語っていることの意味がどういうことなのか。そういうことも、経済学をある程度知っておかないと、よくわからないままということにもなるでしょう。
この本のタイトルは、おもしろいなと思います。95%が常識と言っていますが、言われてみればわかるけれども、言われないとわからないことかもしれませんし、知らない人は知らないことではないでしょうか。
経済学を俯瞰してみて、全体を知る。
そうすることで、経済の動きなどもある程度わかってくるでしょうし、日経新聞やニュースなどで言われていることが、果たして本当なのかどうかも、自分で考えるための基本を身につけられると思います。