政府が、働き方改革実現会議で、長時間労働の是正などに向けた実行計画を取りまとめたそうです。政府は今年の国会に関連法の改正案を提出し、2019年度からの実現をめざすとのこと。
昨年2016年の9月から始めた、「働き方改革実現会議」で、半年で、方向性や計画を決めたということのようです。
いまいち、よくわからなかった「働き方改革」。その内容などが少しわかった感じなので、「働き方改革」に必要なことを、少し考えてみたいと思います。
「働き方改革」に必要なことは?
「働き方改革実現会議」での主な改革点
2017年3月28日の「働き方改革実現会議」で、指摘された主な改革点は、以下のようなことのようです。
配布資料(PDF)より
- 非正規雇用の処遇改善 同一労働同一賃金など
- 賃金引上げと労働生産性向上
- 長時間労働の是正 罰則付き時間外労働の上限規制の導入など
- 柔軟な働き方がしやすい環境整備
- 女性・若者の人材育成など活躍しやすい環境整備
- 病気の治療と仕事の両立
- 子育て・介護等と仕事の両立、障害者の就労
- 雇用吸収力、付加価値の高い産業への転職・再就職支援
- 誰にでもチャンスのある教育環境の整備
- 高齢者の就業促進
- 外国人材の受入れ
どれも実現されたら良さそう
全部は読んでいませんが、どれも今の仕事環境、働いている人たちにとって、実現されたら良さそうなことのように見えます。
実現できたら、安心して働ける環境ができそうです。
実現できるのか?
ただ、気になるのは、やはり実現できるのかどうかということですよね。
一見して思うのは、政府が行って、法整備をすればできるだろうことと、個々の企業が努力しないと実現しそうにないこともあります。
長時間労働の是正は「企業」がやらないとむずかしいでしょうし、子育て・介護等と仕事の両立は、その企業ごとで事情が異なるでしょうから、そう簡単ではないのではないでしょうか。
結局、「時短」ができるかどうかなのでは?
「働き方改革」という言葉が出てきて、どういう内容なのか、気になっていました。
というか、「働き方を改革する」というのが、どうして政府から出てくるのか、なんとなく違和感というか、「就労環境改革」などなら、まだ意味的にはわかるのですが、働き方を変えるというのは、民間がやるものなのではないかという感じがしたので、ちょっと気にしていました。
もっと充実させる必要があるという声もあるようですが、内容や方向性としては、悪くはないのだろうと思います。
しかし、法的な面以外だと、結局、「時短」ができるかどうか、短時間で効率的に働けるか、生産性を高められるかどうかなのではないでしょうか。要は、「競争力」を高めることができるかどうか。
上記の項目で、「長時間労働の是正」、「柔軟な働き方」ということがありますが、これらを実現するには、短時間で仕事を行う必要があります。
「子育て・介護等と仕事の両立」も環境整備も必要でしょうけれど、やはり時間を有効に活用することが必要に思えます。
「時短」できると、プレミアムフライデーも、副業も可能
話が少し変わりますが、プレミアムフライデーというのが始まりましたが、あれを楽しむには、どうにか時間を作らないと楽しめませんよね。
月末の金曜日とかだと、ちょっとむずかしい気もしますが、いずれにしても、時間を作らないことには、楽しめません。
そして、副業も、時短できて、時間的に余裕ができれば、したければできます。
副業を原則容認に転換するのではという話もありますが、容認しても、時間がなければ、副業できないですよね。
副業は是か非か?政府が正社員の「副業を原則容認」に転換の報道
「働き方改革」は、時間がポイント
「雇用吸収力、付加価値の高い産業への転職・再就職支援」「誰にでもチャンスのある教育環境の整備」というのも、「働き方改革」に必要なこととしてあがっています。
確かに、できればいいですよね。
ただ、こういう教育などは、時間がかかりますよね。
結局、時間があればできるというか、時間的に余裕がないとできないという面が大きいと思います。
法律や政府、政治などの支援があったほうが良いのだろうと思いますが、時間の有効活用、時短、短時間でできるかどうかが、重要になっていくのでしょう。
最近、ヤマト運輸が、ネット通販などの物流量が増えて、料金やサービスを変えるという話が話題になっていました。これも、ある意味、効率化の問題でしょう。
人手不足や仕事量の増加にどう対応するのか。
「働き方改革」は、こういうことも検討しているのでしょう。
こういうのも、結局、「時間」や「時短」がポイントになっている。
実行計画や方向性は、それなりに良いと思うのですが、労働時間の規制や総労働時間などを減らすには、どうしたらいいのか、具体的な方法を積み重ねないと、「働き方改革」も、単なる言葉になって、計画倒れになってしまうのでは、そんなことを感じます。