『依存症ビジネス――「廃人」製造社会の真実』
最近、こんな本を読みました。
詳しい内容は本書を読んでもらうとして、ほんとうに簡単に書いてしまうと、ビジネスとして依存症を「つくる」ことで成り立っているものがある、そういう内容の本です。
そして、依存症を治すということもビジネスとして成り立っていしまっているところがあるという指摘も書かれていました。
依存症と習慣の境界
たしかに、そういう面もあるのだろうと思いながら読んだのですが、「依存症」と何か・誰かの「ファンになる」ことの違いはどういうところなのだろうかとか、「習慣」とはどう違うのだろうかなどを考えるなどしながら読みました。
本書では、依存症の対策というものは触れられている程度であまり書かれていません。依存症というところまで行ってしまうと、なかなか抜けられないだろうと思うのですが、そして本書は以前依存症だった人が著者なのですが、境目というか、「依存症」と「ファン」、「習慣」はどう違うのかが、気になるところでした。
ギャンブルをやるためにお金を稼ぐ
ギャンブルの依存症の人のこんな感じの言葉が紹介されていました。
ふつうの人は、お金を稼ぎたいからギャンブルをするのだが、私はギャンブルをしたいからギャンブルをやるためにお金を稼ぐ。
ギャンブルにハマっている。ギャンブルのために働く稼ぐ。
目的と手段が違ってくる。
こういう面があるのでしょう。
とは言っても、何か好きなモノがあれば、そのモノを買うために働くお金を貯めるということはあります。目的と手段かどうかというのもありますが、目的と手段が逆転するということはあるでしょう。例えば、お金のために働いていたけれど、仕事を好きになるということもあるでしょうから。
習慣と依存症はどう違うのか
話は少し変わって、この本からではないですが、 習慣とはどう違うのか。こういうところも気になります。
習慣も外から見ていれば、何かにハマって繰り返し行っているようにも見えなくもありません。ブログを毎日書くなどは、書かない人から見れば、ハマっているように見えることもあるでしょう。ジョギングやマラソンは、ランナーズハイがあるからか、「ハマっている」人もいるのかもしれません。
習慣は、やめようと思えばやめられる。そういうところが違うのかもしれません。
「依存症」になりやすい時代なのかも
この本を読んでも、依存症とはどういうことかとか、防ぐための具体的な方法などもあまりわからないでしょう。
ただ、本書でも書かれていますが、手軽にこういったものが手に入れやすくなっている。
そのような環境にあって、自分の感情をコントロールしたいという欲求があるとしたら、すぐに手を出してしまうということはあり得るのでしょう。
そして、そこから「抜け出す」ことは、なかなかむずかしいことのようです。
「依存症」に陥りやすい環境で、どうするのか。そんなことを考え始めるきっかけとなりそうな本でした。
習慣化の技術を知る
習慣化の技術を知っていると、何かしらの役に立つかもしれません。
そして、意志の強さや弱さについても知っておくと変わってくると思います。
意志は、長く持たない。そういうことが、研究などから言われています。
もし、意志にあまり頼れないとしたら、習慣化が有益なのではないでしょうか。意志の力をあまり使わないでできることが、「習慣」でしょうから。
良い習慣を身につける。そのための技術を知っていれば、悪い習慣には、ハマりにくいかもしれません。
良い習慣、悪い習慣―世界No.1の心理学ブロガーが明かすあなたの行動を変えるための方法
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