経済。経済学。わかるようなわからないような。そういうものかもしれません。
とくに、経済学を学生時代に学ばないと、よくわからないままということもありそうですよね。
わかりやすい経済学、経済の本を読んでみると良いと思うのですが、意外と誰でもわかるそういう本がなかったりします。
最近、書店で、『池上彰のやさしい経済学』を見つけて、読みました。
池上彰のやさしい経済学(1) [ 池上彰 ](楽天ブックス)
とてもわかりやすかったです。
「お金はなぜお金なのか」「見えざる手によって導かれる経済とは」―むずかしいと思われがちな経済学を、日常生活の視点から眺め、基礎の基礎から解説しました。この1冊で最新ニュースも驚くほど理解が深まります。実際の大学講義を、ライブ感そのままに編集した、大好評単行本を文庫化。
池上彰さんの大学の講義を本にしたものということで、 わかりやすさに定評がある池上さんらしく、やはりわかりやすかったです。2012年の本なので、さすがに、「マイナス金利」については解説はなかったと思いますが。
目次
はじめに
金は天下の回り物――経済とはなんだろう?
お金はなぜお金なのか――貨幣の誕生
「見えざる手」が経済を動かす――アダム・スミス
資本主義は失業者を生み出す――マルクス
公共事業で景気回復――ケインズ
「お金の量」が問題だ―フリードマン
貿易が富を増やす―比較優位
『池上彰のやさしい経済学』がとてもわかりやすかった
簡単な内容
目次を見てわかるように、経済とは何か、お金とは、アダム・スミス、マルクス、ケインズ、フリードマン、貿易といったことが紹介されていて、経済学を学ぶのに基本的なところを学べます。
経済の語源は「経世済民」
明治維新で日本が鎖国を解くと、海外からいろいろな言葉が入ってきましたが、「エコノミー」という言葉もこのとき入ってきて、これを訳そうかということになりました。いろいろ考えた結果、中国に「経世済民」という言葉がある、じゃあこれを使おうかということになりました。
経世は世を治めるという意味で、済民は民を救う。世を治め、民を救う。
これをエコノミーの訳語として、「経済」としたということです。他の訳語として、「理財」というのもあったそうです。
経済学とは何だろう?
経済学というのは金儲けのための学問ではないんですね。皆さんの生活にとって大変身近なものです。何かと言いますと、資源の最適配分を考える学問なのです。
経済学は、資源の最適配分を考える学問。まあ、たしかにこう言えるといえば言えますね。
お金やモノ(人)のやり取りの学問。これぐらいで良いのではないでしょうか。
このあたりは、だいたいの人が、そんなイメージを持っているのではないかと思います。
お金がお金である理由は?
それでは、お金とは、どういうものでしょうか?
国家がきちんと成立していて、お金ですよと保証をしてくれている、だから私たちもそれをお金だと思っている、そこでお金はお金として通用するということになります。お金というのは共同幻想。私たちがお金だと思っているからそれはお金であるという、非常に不思議なものなわけです。
お金だと信じているから、お金である。
最近だと、ポイントもお金のようになっていますね。国家でなくても、モノと交換できる「お金」のようなものを作ることができます。
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信用取引・決済のシステムこそマネー 信用取引・決済が、「マネー」ということです。 お金というものを通して、信用を取引している。 こういうことですね。 形のある貨幣でなくても良く、数字でも良いことから、こういうことは言えそうですね。
『21世紀の貨幣論』フェリックス・マーティン - ビジネス書をビジネスのチカラに
こちらの『21世紀の貨幣論』では、お金・マネーとは、信用取引・決済のシステムが「マネー」だとしています。クレジットカードなども「マネー」となり得るということですね。
信用でモノ・サービスと交換できるシステムが、マネー・お金と言えるのでしょうね。
経済学は時代の処方箋
経済学では合理的経済人を想定していますが、実際、生身の人間はそのとおりにはいかない。だからうまくいっていた経済学もやがてうまくいかなくなることがある、じゃあまた新しい経済学をと、この繰り返し、それが経済学の歴史なんだということです。
現実の経済と合っていない。
そうなると、また新しい「経済学」が出てくる。経済学には、「学派」があります。
『経済学の95%はただの常識にすぎない』ハジュン・チャン【本・読書】
言っていることが、微妙に違っています。わかりやすいところだと、マルクスと近代経済学というところでしょう。
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現代では、格差が話題になっている。
そんなふうに、時代の変化などで経済学も変わっていく。新しい考え方や方法などが出てくる。
そして、それらを知っておくと、時代の流れも、それなりにわかってきますよね。お金儲けの学問ではないかもしれませんが、お金を扱う学問ではあるので、損はしにくくなるのではないでしょうか。知っておいて、損はない。
池上彰さんが経済学の基本をわかりやすく教えてくれる
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ここで紹介した以外にも、アダム・スミスの神の見えざる手など、経済学の基本的なところを、池上彰さんがわかりやすく教えてくれています。
もちろん、まったく知識がないとよくわからないということもあると思います。しかし、一冊でこれだけわかりやすいのはいいですね。
経済学を学んでこなかったけれども、これから学びたい。そんな方が読んでみると、読みやすくわかりやすいと思います。
『池上彰のやさしい経済学』、読んでみてください。